Medical Mycology Update Tokyo

　第43回関東医真菌懇話会を開催するにあたりご挨拶を申し上げます。伝統あるこの懇話会の会長を拝命し、歴史の重さ、責務の重大さを身にしみて感じております。
　さて、本懇話会のテーマは「かわりゆく社会と医療　これからの医真菌を考える」としました。新型コロナウイルス感染症（COVID-19）のパンデミックは3年半の歳月ののちに終息宣言されましたが、パンデミックの前後で、社会と医療を取り巻く状況は大きく変化しました。真菌症をとりまく状況も、新興真菌症や薬剤耐性真菌症の出現、日和見真菌症の増加など大きく変化しています。しかし、これは、これまで抱えていた社会や医療の課題を顕在化させたに過ぎないと考えています。一方においては、新しい抗真菌薬も登場し、医療者にとっては真菌症治療の選択肢が増えたと言えるでしょう。
　さて、本懇話会のポスターは、私の好きな童話作家「宮沢賢治」の「銀河鉄道の夜」をイメージいたしました。賢治は、童話作家として有名ですが、地域においては農業指導者であり、一方では、鉱物を収集し顕微鏡で観察を続ける地質学者でもありました。大正から昭和へと大きく日本の社会が変化する中、科学を追求し、その成果を農業指導に生かしていった人物です。彼の作った童話には、「飢饉が襲い主食となる『オリザ』がまったく取れない」という場面が度々でてきますが、ご存知のとおり、オリザ＝コメの属名であり、オリザは日本酒や醤油、味噌に用いられる日本コウジカビの学名（Aspergillus oryzae）にも用いられています。激変していく社会の中で、実学に身をささげた先人に思いをはせながら、シンポジウム、教育講演など、様々な企画を行う予定です。
　本懇話会は、医真菌に関する関東地区の懇談会であります。優れた臨床研究や基礎研究はもちろんですが、若い医師や研究者による症例報告や発展途上の研究などの発表の場でもあります。銀河鉄道にのって未知の世界を旅行した少年が、その後、たくましく成長したように、若手医師や研究者、医真菌の初心者、初学生の発表や参加も、大いに歓迎いたします。
　本懇話会の成功にむけて、みなさまのご支援、ご協力をお願いし申し上げます。

真菌症に関する自由演題として広く募集いたします。

口演発表のみとなります。

制限文字数：本文全角600字以内
図表ありの場合は本文全角400字以内。図表は3点まで掲載可能です。
※半角英数字は2文字で全角1文字とします。
図表、画像データはJPEG形式、もしくはPNG形式でご登録ください。
※注意事項

本ページ下部の演題登録ボタンより演題登録画面へお進みください。

演題募集期間中は、何度でも演題の修正・削除が可能です。演題の修正・削除には、演題登録時の演題登録番号およびパスワードが必要になりますので、ご注意ください。