第54回緑膿菌感染症研究会

会長あいさつ

第54回緑膿菌感染症研究会開催にあたって

謹 啓 益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
 さてこの度、「第54回緑膿菌感染症研究会」の会長を愛知医科大学の三鴨廣繁が拝命し、愛知医科大学の山岸由佳先生を事務局長として、2020年2月28日(金)・29日(土)の2日間の日程で岐阜市にある長良川国際会議場にて開催させていただくこととなりました。
 緑膿菌は、水周りなど生活環境中に広く常在しますが、健常者には通常、病原性を示さない弱毒細菌の一つとされています。ペニシリンやセファゾリンなどの第一世代セフェム薬に自然耐性を示し、テトラサイクリン系やマクロライド系抗生物質などの抗菌薬にも耐性を示す傾向が強く、古くより、感染防御能力の低下した患者において、術後感染症などの日和見感染症の起因菌として問題となってきました。最近、緑膿菌に効果が期待されるセフスロジン、セフタジジムなどのβ‐ラクタム薬のみならずイミペネムなどのカルバペネム系薬やシプロフロキサシン、レボフロキサシンなどのフルオロキノロン系抗菌薬、さらにアミカシンなどのアミノ配糖体系抗菌薬などに幅広く耐性を獲得した臨床分離株が、散発的ではあるものの各地の医療施設で臨床分離されるようになり、「多剤耐性緑膿菌」としてその動向が警戒されています。
 本研究会は、緑膿菌感染症に関して、基礎医学、臨床医学、獣医学、薬理学、環境医学、社会医学など多方面の研究者がさまざまな研究成果を発表し、今後の緑膿菌感染症対策を議論するのが目的として開催されてきました。
 第54回の研究会では、研究会テーマとして、『緑膿菌感染症に関するトランスレーショナルリサーチの進展 〜from bench to bed, from bed to bench〜』を掲げさせていただきました。近年は、遺伝子検査やポストゲノム時代検査などの導入により、検査医学も進歩を遂げており、我々は新しい技術・進化にも対応していかなければなりません。
 研究会では、緑膿菌感染症に関係する研究者約200名以上が集い、多くの研究発表と活発な討論が行われる予定です。
 第54回の研究会では、教育講演、シンポジウム、教育セミナーなど多くの企画をさせていただいておりますが、研究会の主体は何と言っても一般演題の発表と熱き討論であると思います。したがって、本研究会では討論時間をしっかりと設ける予定です。基礎、臨床、薬理学、環境医学、社会医学などさまざまな視点からの一般演題をお待ちしておりますので、是非とも応募していただきたくよろしくお願いいたします。
 研究会開催にあたって多くの企業の方からご協力をいただく予定ですが、この場を借りて改めてお礼を申し上げます。
 末筆となりましたが、皆様の益々のご発展を衷心よりお祈り申し上げると共に、織田信長公ゆかりの岐阜の地で皆様にお会いできることを楽しみにしております。

謹白
2019年7月吉日

第54回緑膿菌感染症研究会
会 長  三鴨 廣繁
(愛知医科大学大学院医学研究科 臨床感染症学)
事務局長 山岸 由佳
総務担当 小島 良