第10回肥満と消化器疾患研究会

当番世話人挨拶

ご挨拶

第10回肥満と消化器疾患研究会
当番世話人:田妻 進
(JA広島厚生連尾道総合病院 病院長/広島大学大学院 客員教授)
 この度、第10回肥満と消化器疾患研究会の当番世話人を拝命しました。肥満と消化器疾患という最近の重要な社会的テーマに対して、学際的に取り組み発展を遂げてきました本会を広島で開催できますことを大変光栄に存じます。第10回の本会は令和2年4月22日(水)にリーガロイヤルホテル広島にて開催させていただく予定です。
 肥満は今や世界的な社会問題であり特に若年者での糖尿病・脳血管疾患・心血管疾患・発がんなど様々な重篤な合併症を惹起することから国を挙げて取り組む傾向が強まっています。一方、肥満は食を含む生活習慣と密接な関係にあり、わが国でもその欧米化と慢性的な運動不足に伴う肥満人口の増加傾向はとどまる気配がありません。肥満が多くの消化器疾患の発症と進展に関連し、逆流性食道炎や非アルコール性脂肪性肝疾患(non-alcoholic liver disease: NAFLD)はもとより、消化器発がんにおいても重要な病態基盤となることが判明しており、さらに肥満に基づく消化器疾患発症はそれに引き続く心血管系イベントリスクの増悪や代謝性疾患(脂質異常症や糖尿病)のリスク因子も増幅させるため、消化器疾患そのものを全身疾患の病態基盤として捉えることが必要です。最近では、内臓脂肪増加や骨格筋減少の体組成の異常が各種の病態進展や生命予後に影響を及ぼすことや、肥満手術が様々な代謝性因子を改善することから、内科外科を問わず消化器病専門医が肥満症に対し積極的に取り組むことは時代のニーズともいえます。
 本研究会は、日本消化器病学会 菅野健太郎前理事長の肝煎りで、肥満に起因する消化器疾患の病態解明と治療法の進歩に取り組むことを目的として、「肥満・栄養と消化器疾患」諮問委員会が発足し、その活動の一環として、日本消化器病学会の附置研究会として設置された「肥満と消化器疾患研究会」を母体としております。愛媛大学 恩地森一名誉教授を代表世話人として、平成23〜25年の日本消化器病学会総会にあわせた附置研究会として開催されました。平成26年からは、日本消化器病学会関連研究会となり、山口大学 坂井田功教授が代表世話人として発展に注力され、平成30年からは現在の三重大学 竹井謙之教授が引き継いでおられます。
 令和の時代に最初の開催となります今回の研究会では、特別講演として広島大学 杉山政則教授に「肥満と腸内細菌(仮題)」、シンポジウム「肥満と消化管疾患~基礎と臨床~(仮題)」、ならびに肥満手術に関する最近の知見など、スポンサードセミナーを企画する予定です。本研究会が充実したものになりますように、多くの先生方のご参加を心よりお待ち申し上げます。