第33回日本老年脳神経外科学会

ご挨拶

 このたび、第33回日本老年脳神経外科学会を2020年4月10日に倉敷市の倉敷アイビースクエアで開催させていただくことになりました。伝統ある学会を主催させていただくことに教室員一同大変光栄に存じております。

 今学会のテーマは「ともに歩み ともに生きる」とさせていただきました。本邦の人口の高齢化は待ったなしの問題で、我々脳神経外科医にとっても多くの課題と直面しています。どの病気についても手術適応の変化はありますが、高齢者に対して脳神経疾患の手術はその後のQOLを考えると、なかなか積極的になれない面もあります。かといって、さっきまで元気で生活されていた老人を年齢だけで「手術適応はありません」とも言えないこともよくわかっています。この学会はこのような難しい問題を解決するために、脳神経外科医やメディカルスタッフの方々が自施設の成績や論文のreviewを行い、現状を明らかにしてきました。そこから年々変わりつつある治療法や手術適応を考え、高齢者の治療予後を改善するための英知を出し合ってきました。これこそが高齢者と「ともに歩み ともに生きる」の精神と考えています。

 第33回の本会ではその分野のエキスパートにまずKey note lectureをいただき、現状と問題点を提起していただく予定です。さらに公募演題から個々のの課題を発表していただきたいと思っています。また前回も取り上げた「他科から学ぶ」のセッションも継続いたします。最後のセッションでは脳神経外科医とともに診療を行っている看護師・リハビリテーションの方々と「脳神経外科疾患とフレイルの問題」を合同セッションとして組ませていただく予定です。

 前回まで同時開催されていた「脳卒中リハビリテーション看護の将来を考える会」は本学会に組み込ませていただき、看護師、リハビリテーションの皆さんに発表していただくことにいたしました。

 4月の倉敷は春暖でたいへん良い季節と思います。会場は倉敷市の美観地区内にあり、大原美術館や蔵屋敷の街並みがあります。学会での合間にぜひ訪れていただければと思います。会員の皆様をはじめ、メディカルスタッフの方々をお誘いの上、多数の皆様のご参加をお願い申しあげます。

第33回日本老年脳神経外科学会
会長 宇野 昌明
川崎医科大学 脳神経外科 教授