第28回日本精神科救急学会学術総会

プログラム

会長講演

「発現機序に基いた認知症の行動・心理症状に対する治療 -精神科救急の視点も含めて-」

演者:數井 裕光(高知大学医学部 神経精神科学講座)

 認知症の行動・心理症状(BPSD)は、認知症患者の生活の質を低下させ、家族の介護負担を増加させ、精神科救急の原因となる重要な症状です。認知症の原因疾患によって出現しやすいBPSDが異なり、また発現機序も異なります。さらに治療法も異なります。しかし認知症患者を精神科医以外の医師が、特に早期には診療しているという現状があるため、初期からのBPSD治療、対応が十分ではありません。
 本講演においては、BPSDに対する治療を、発現機序の観点から考えたいと思います。また本学術集会の副会長で長年、高知県の精神科救急を牽引してこられた土佐病院の須藤康彦院長先生と高知県における認知症精神科救急についてもまとめてご紹介したいと思っております。精神科救急の経験が乏しい私が、本学会で会長講演をさせていただくことは、非常に勇気のいることなのですが、折角の機会なので専門の諸先生方との交流を目的にお話しさせていただきます。

シンポジウム1

「新型コロナ感染症」

 2020年1月に新型コロナ感染症が中国で問題となってから、感染は瞬く間に日本をはじめとして全世界的な広がりをみせ、国民生活にも多大な影響を与えています。本シンポジウムでは、まだまだ感染の収束が見えない状況での新型感染症の医療への影響、特に精神科医療への影響について総合病院精神科や単科精神科病院の管理者、災害精神医療の専門家に登壇いただき、感染症の大規模的な拡大と精神科医療への影響という視点でそれぞれの専門家の経験をもとに議論していただく予定です。

シンポジウム2

「精神科医療における高規格病棟の役割」

 精神科急性期治療病棟や精神科救急病棟では高い診療報酬が設定されている一方、人員配置や治療成績、設備面で高規格であることが要求されています。高規格病棟は、精神科特例に代表される長い入院期間を前提とした治療環境を刷新し、今後の精神科入院医療の標準となっていくものなのでしょうか。それとも精神科救急など、精神医療の一部のための特殊な病棟であり続けるのでしょうか。次期診療報酬改定で精神科救急病棟入院料病床の総量規制が一段と厳しくなることが予想されている今、高規格病棟の意義について語り合う場になることを期待しています。

シンポジウム3

「認知症(BPSD)」

座長:兼行 浩史(山口県立こころの医療センター)
中澤 宏之(医療法人つくし会 南国病院)

演者:上村 直人(高知大学医学部 神経精神科学講座)
小川 俊一郎(一般財団法人創精会 松山記念病院)
埴原 秋児(長野県立こころの医療センター駒ケ根)
松本 一生(医療法人圓生会松本診療所(ものわすれクリニック))

 精神疾患患者における認知症患者の割合は増加しています。本シンポジウムでは、精神科救急における薬物治療、非薬物治療、入院時から開始される円滑な退院に向けた支援と入院中の転倒や身体疾患合併症等に対する対応、さらには精神科クリニックにおけるソフトな精神科救急などの取り組みを紹介していただき、よりよい診療の実現を目指したディスカッションを行いたいと考えています。

シンポジウム4

「緊急時の子どものこころのケア」

座長:藤枝 幹也(高知大学医学部小児思春期医学講座)
高橋 秀俊(高知大学医学部寄附講座 児童青年期精神医学)

演者:小松 静香(高知大学医学部寄附講座 児童青年期精神医学)
松下 憲司(高知大学医学部小児思春期医学講座)
岡崎 知裕(高知大学医学部附属病院 地域医療連携室)
東谷 美奈(高知県中央児童相談所)

指定討論:木下あゆみ(四国こどもとおとなの医療センター 小児アレルギー内科)

 児童虐待や未成年の自殺、発達障害に伴う衝動的な行動上の問題など我が国の重点課題である緊急時の子どものこころのケアにおいて、精神科救急の関与がますます期待されています。このようなケースの中には、ひとり親家庭や経済的困窮家庭など、子どもだけでなく家族全体の問題を抱える場合も多く、多職種による継続的な支援が不可欠である。本シンポジウムでは、緊急時の子どものこころのケアに関わる機会が多い小児科医、児童精神科医、ソーシャルワーカー、そして行政の立場として児童相談所から、それぞれの取組における精神科救急へのニーズについて紹介していただき、今後の精神科救急との連携のあり方について議論したいと考えています。

シンポジウム5

「南海トラフ地震/災害精神医療」

座長:山﨑 正雄(高知県立精神保健福祉センター)
大塚 耕太郎(岩手医科大学 神経精神科学講座)

演者:田上 豊資(高知県中央東福祉保健所)
西山 謹吾(高知大学医学部 災害・救急医療学講座)
佐伯 真由美(広島県立総合精神保健福祉センター)
山﨑 正雄(高知県立精神保健福祉センター)

 南海トラフ地震は、首都圏から九州に亘る広範な地域が被災地となりうるため、被災地外からの支援が乏しいと考えられています。そこで被災地内で医療活動を行うという籠城型医療が重要となります。この事態では、精神科医も初期には身体治療医として活動することが求められます。本シンポジウムでは、南海トラフ地震の想定被害、籠城型医療下におけるDMAT活動、これまでの災害時精神科救急医療からの提案、高知県の準備状況精などについて講演していただき、その後、ディスカッションできればと考えています。

シンポジウム6

「多様化する依存症と精神科救急」

座長:松本 俊彦(国立精神・神経医療研究センター 精神保険研究所 薬物依存研究部)

演者:松本 俊彦(国立精神・神経医療研究センター 精神保険研究所 薬物依存研究部)
橋本 望(地方独立行政法人岡山県精神科医療センター)
石田 正之(医療法人須藤会 土佐病院)
吉田 精次(藍里病院)

 現在の依存症医療はアルコールや覚せい剤のみではなく、ギャンブルやゲームなど社会の変遷に併せて、多様化しています。本シンポジウムでは多様化する依存症の中でも、アルコールや覚せい剤という経験値の多い領域の他にも、近年、社会的に新たに問題になりつつあるギャンブル依存といった多様化する依存症の問題に関して経験豊富なシンポジストに登壇いただき、それぞれの依存症の特徴や相違などをもとに精神科救急医療の役割について知ることができます。

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